心(日漢對照有聲版) | 被動收入的投資秘訣 - 2024年6月

心(日漢對照有聲版)

作者:夏目漱石
出版社:香港中和
出版日期:2021年05月18日
ISBN:9789888694631
語言:繁體中文

  當友情與愛情發生碰撞時,你會如何選擇?當利己之心和道義之心發生衝突時,你又將如何取捨?

  「我」與老師認識之後,漸漸深入老師的思想、家庭和往事。老師曾因被親戚背叛而對人心充滿懷疑;他愛上了房東女兒小姐,卻又在與好朋友K一起追求小姐時,漸漸生出另一種利己之心,釀成了悲劇。而老師最終的選擇是……

  善與惡,轉變在一念之間;罪與罰,一錯竟成一生執念。

  《心》,文豪夏目漱石晚年經典代表作,透視人性後娓娓道來的靈魂剖析,一層層剝開人類真實的內心,探討理智與情感背後的無奈和悲情。
 

作者簡介

夏目漱石

  1867—1916,日本近代小說家、評論家、英文學者、俳人。本名金之助,是明治末期至大正初期日本近代文壇享有極高地位的代表性人物。代表作有《我是貓》《少爺》《三四郎》《後來的事》《心》《明暗》等。漱石對個人心理的精確細微的描寫開了後世私小說的風氣之先。因為在日本國民中的深遠影響,漱石的頭像曾經被作為一千元日幣的圖案。

譯者簡介

杜勤

  上海翻譯家學會會員、上海市日語口譯資格證書專家組成員。主編各類日語教材及教輔書近二十部,出版《儒教與佛教》(荒木見悟)、《光與影》(渡邊淳一)等譯作一百萬餘字。
 

上    先生と私        002  先生與我        003
中    両親と私        160  父母與我        161
下    先生と遺書    240  先生和遺書    241
 

上じょう 先せん生せいと私わたくし一私わたくしはその人ひとを常つねに先せん生せいと呼よんでいた。だからここでもただ先せん生せいと書かくだけで本ほん名みょうは打うち明あけない。これは世せ間けんを憚はばかる遠えん慮りょというよりも、その方ほうが私わたくしにとって自し然ぜんだからである。私わたくしはその人ひとの記き憶おくを呼よび起おこすごとに、すぐ「先せん生せい」といいたくなる。筆ふでを執とっても心こころ持もちは同おなじ事ことである。よそよそしい頭かしら文も字じなどはとても使つかう気きにならない。私わたくしが先せん生せいと知しり合あいになったのは鎌かま倉くらである。その時とき私わたくしはまだ若わか々わかしい書しょ生せいであった。暑しょ中ちゅう休きゅう暇かを利り用ようして海かい水すい浴よくに行いった友とも達だちからぜひ来こいという端は書がきを受うけ取とったので、私わたくしは多た少しょうの金かねを工く面めんして、出で掛かける事ことにした。私わたくしは金かねの工く面めんに二に、三さん日ちを費ついやした。ところが私わたくしが鎌かま倉くらに着ついて三みっ日かと経たたないうちに、私わたくしを呼よび寄よせた友とも達だちは、急きゅうに国くに元もとから帰かえれという電でん報ぽうを受うけ取とった。電でん報ぽうには母ははが病びょう気きだからと断ことわってあったけれども友とも達だちはそれを信しんじなかった。友とも達だちはかねてから国くに元もとにいる親おやたちに勧すすまない結けっ婚こんを強しいられていた。彼かれは現げん代だいの習しゅう慣かんからいうと結けっ婚こんするにはあまり年としが若わか過すぎた。それに肝かん心じんの当とう人にんが気きに入いらなかった。それで夏なつ休やすみに当とう然ぜん帰かえるべきところを、わざと避さけて東とう京きょうの近ちかくで遊あそんでいたのである。彼かれは電でん報ぽうを私わたくしに見みせてどうしようと相そう談だんをした。私わたくしにはどうしていいか分わからなかった。けれども実じっ際さい彼かれの母ははが病びょう気きであるとすれば彼かれは固もとより帰かえるべきはずであった。それで彼かれはとうとう帰かえる事ことになった。せっかく来きた私わたくしは一ひとり人取とり残のこされた。


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